一時期「ゲーム脳」などといった言葉が世間をにぎわしたことがありました。
IT技術の進化により、これまでは実現し得なかったリアルな3D画像や高速処理能力が、ゲームの中に取り入れられるようになりました。
これは、若い世代を中心に世の中にゲームが広く浸透してきたことによるものです。
あまりに高い技術を持ったゲームはプレイヤーを熱中させ、多くの時間を費やすなど、その弊害が社会問題となったことが背景にあると考えられます。
ゲームをやりすぎると脳は物事をパターン化でしか考えられなくなり、認知症に近い症状を引き起こすといわれています。これを「ゲーム脳」と呼んで話題になったのですが、今ではその根拠も証明できず、医学的に取り上げられることもありません。
あらゆる流行は一時的に熱狂的な支持者を生み出し、それがあたかも社会全体の動きのように思えますが、それを過ぎてしまえばなんでもなかったことが分かります。
ゲームが抱える問題は既に次のステージに移っています。
これまではゲームで遊ぶためには専用の機器を手に入れ、それぞれのソフトを別に購入しなければなりませんでした。
しかし、最近ではオンラインによるゲームが主流となり、インターネット環境さえあれば簡単にプレイヤーとなって参加することができます。
こうなると、それまでハード製品を送り続けていた企業は製品が売れなくなりますし、流通業界にも影響を与えます。
また、オンラインによって発生する課金システムも問題です。
熱中することで金銭感覚が麻痺してしまうところは、ギャンブルに似て冷静な判断が難しくなります。特に正常な判断ができにくい未成年への影響は真剣に議論する必要があります。
ただ、やはりオンラインゲームだと、人との繋がりを感じられるということで、従来の家庭用ゲームとは一味違った楽しみ方ができて、ゲーム好きにはたまらないのでしょうね。ゲームを作り出すエンジニアや、ネットワーク管理をするエンジニアには、未成年でも楽しくゲームできるようなモノづくりと環境を提供してもらいたいものです。